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企業に義務付けされたカスハラ対策|具体的にすべきこととは

カスハラは、従業員の精神的負担や離職の原因となる深刻な社会問題として注目されています。

顧客による悪質なクレームや過度な要求、暴言などが発生した場合、対応を誤ると企業の信用を損なうだけでなく、職場環境の悪化にもつながりかねません。

近年は、労働施策総合推進法の改正により、カスハラ防止の意識がより高まりつつあります。

今回は、実際に行うべき具体的な取り組みを解説いたします。

カスハラ対策義務化の背景

これまで、企業に対してカスハラ防止策を法的に義務付ける全国的な規制は存在しませんでした。

しかし従業員の安全と働く環境を守るため、東京都が202410月に「カスタマーハラスメント防止条例」を制定したことを契機に、国としても包括的な対策を整備する必要性が高まりました。

こうした流れを受け、政府は労働施策総合推進法を改正し、企業に対してカスハラ防止への取り組みを義務化する「カスハラ対策法」を成立させました。

企業が具体的にすべきこと

カスハラ対策法には、事業主を対象として、以下のような規定があります。

第33条第1項:事業主の雇用管理上の措置義務

カスハラ対策法の柱となる規定です。

企業は、従業員が顧客などからハラスメント行為を受けた場合に備え、相談体制の整備や再発防止策の導入など、適切な雇用管理上の措置を講じる義務を負います。

第33条第2項:不利益取扱いの禁止

従業員がカスハラの被害を相談したことや、被害対応に協力したことを理由に、解雇・降格・減給などの不利益な扱いをしてはならないと定められています。

これに反した場合は、法令違反として行政指導の対象となる可能性があります。

第33条第3項:他の事業主との協力努力義務

企業は、他の事業主からカスハラ防止に関して協力を求められた場合、必要な範囲で協力するよう努める義務を負います。

たとえば、委託先企業や取引先で発生したカスハラに関して、情報共有や対策の検討に応じるなど、企業間連携による防止体制の強化が期待されています。

第34条第2項:労働者への理解促進と配慮

企業は、自社の従業員に対してカスハラに関する理解を深めさせるため、研修や教育を実施する努力義務を負います。

また、自社の従業員が他社の従業員などに対して不適切な言動を行わないよう、注意喚起や意識啓発を行うことも求められます。

第34条第3項:国の施策への協力義務

企業は、国や自治体が行う広報・啓発活動への協力を求められた場合、これに協力する努力義務があります。

国・企業・労働者が一体となって社会全体でカスハラ防止を推進していくのが、同法律の基本的な目的です。

まとめ

カスハラは、職場環境に深刻な影響を及ぼす問題です。

対応を誤ると、法的責任を問われるリスクがあります。

不安がある場合は、なるべく早めに弁護士に相談してください。

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弁護士紹介

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弁護士・家本 誠(いえもと まこと)

  • 自己紹介・メッセージ

    事件の御相談や御依頼の際には、ご自身が事件で悩まれていること、不満に思っていること、どのように解決をしたいと考えられているのか、何でも一緒にお話をしてより良い解決を目指したいと思います。特に交通事故、労働災害、医療事故等では、精神的にも非常に苦しい状況に追い込まれる場合があると思いますので、十分な時間をとって相談に応じたいと考えています。

  • 経歴
    • 1965年 8月6日生まれ
    • 1984年 静岡県立静岡東高等学校卒業
    • 1984年 早稲田大学法学部入学
    • 1988年 早稲田大学法学部卒業
    • 1993年 司法試験合格
    • 1997年 弁護士登録(49期)
  • 所属団体等
    • 静岡県医療安全相談窓口運営協議会委員
    • 静岡県弁護士会消費者問題委員会委員(平成16年、17年度委員長)
    • 静岡県弁護士会司法支援センター委員(平成20年、21年度委員長)
    • 日本司法支援センター静岡地方事務所扶助審査委員(平成21年度審査委員長)
    • 平成21年10月から平成24年3月迄日本司法支援センター(法テラス)静岡地方事務所副所長
    • 平成24年度静岡県弁護士会静岡支部幹事長
    • 平成25年度静岡県弁護士会副会長
    • 平成25年7月から静岡県立こども病院倫理委員会委員
    • 静岡市感染症診査協議会委員
    • 財団法人日弁連交通事故相談センター静岡県支部審査委員
    • 静岡境界紛争解決センター(ADR)調停員
    • 静岡大学人文学部非常勤講師(平成13年、14年度)
    • 静岡大学法科大学院非常勤講師(平成19年、20年、21年度)
    • その他 静岡医療事故研究会、静岡県交通事故被害者弁護団などに所属

事務所概要

事務所名 藤枝やいづ合同法律事務所
代表者名 家本 誠(いえもと まこと)
所在地 〒426-0031 静岡県藤枝市築地838 落合電気ビル2階
電話番号・FAX番号 TEL:054-625-8700 FAX:054-625-8699
対応時間 【平日】9:00~17:30 【定休日】土日祝
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