紛争対応法務

「納入した製品に不具合があり、取引先とトラブルにたっている。損害賠償しなければならないだろうか。」
「従業員から、ハラスメントで訴えるといわれている。どういった対応が適切だろうか。」
会社で発生したトラブルについて、こうしたお悩みをお持ちの方は少なくありません。

このページでは、企業法務に関する様々なテーマのなかから紛争対応法務について焦点を当ててご説明いたします。

■紛争対応法務とは
紛争対応法務とは、企業法務のなかでも、発生した紛争に対応する業務のことをさします。
企業法務には、３つの役割があるといわれています。

１つ目は、紛争対応法務で、紛争が生じた際に対応する役割をさし、臨床法務ともよばれています。
２つ目は、予防法務で、紛争が生じないように予防する役割をさします。契約書の作成やリーガルチェックが予防法務に該当します。
３つ目は、戦略法務で、法令を企業戦略に応用する役割をさします。ESGやSDGsへの対応も戦略法務に該当します。

紛争対応法務は、現に紛争が発生しているという点で、早急な対応が求められる重要な業務です。対応が遅れると、損失がさらに拡大する恐れもあります。

■紛争対応の具体例～ロイヤリティの支払い～
紛争対応の具体例を紹介いたします。
A社は、ある素材を製造する技術を持つB社から、その素材製造についてのノウハウ提供を受け、B社にロイヤリティを支払う契約を結んでいました。その後A社は、その素材を利用して商品を加工する加工装置を製造し、販売を始めましたが、B社はその加工装置の販売で得た利益についてもロイヤリティを支払うようにA社に要求しました。
当初はA社とB社の担当者同士のメールでのやりとりでしたが、B社が法的手段に出ることを検討しているとA社に伝えたため、双方が窓口として弁護士をたててやり取りすることになりました。

弁護士同士に窓口が一本化されることで、争点の整理が行われ、加工装置についてはロイヤリティの対象外となることで決着しました。
この事案は、A社の言い分が通り、その反面B社が利益を得られなかったように見えますが、B社も弁護士をたててこの事案に対応することで、紛争対応に手間取られることなく事業を行いながら対応することができ、関係性を壊さずに解決することができています。
このように、紛争対応については、当事者間ではなく弁護士に依頼する方が、双方にとって有益となることも多くあります。

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